かんだたでは、さらしな粉を使った、
さらしなそばを「小町」と称して提供させていただいている。
この名前のせいか、何となく、
女性の方の注文が多いような気がする。
確かに、女性好みの、やさしい味なのだ。
もちろん、男性の方も、さらしな好きの方がいらっしゃる。
そば通の行き着く味、とも言われている、、、そうだ。
この「さらしな」のそばは、
けっこう誤解の多いそばのようだ。
「さらしな」って何ですか、
と聞かれる方もいらっしゃるし、
初めて召し上がったという方もいらっしゃる。
ソバの実のデンプンだけを挽き出した粉で、
普通のそばより、色が白い。
モチっとした食感で、甘みが強いそばになる。
よく、聞きかじりに、
一番粉のことだという人がいるが、
それとは少し違うようだ。
確かに昔は、普通に粉を挽いて、
目の細かいふるいを通したものを使っていたみたいだ。
でも、それでは、味のないそばになってしまう。
今では、全く別の方法で、作られているという。
わかりやすく、コメに例えて言うと、
普通のそばは玄米、さらしなは白米。
と言うところか。
それならば、何割ぐらい磨いているのですか、、、
などと聞かれても、
これは、あくまでも、例え話なので。
この「さらしな」を手打ちするのは、
なかなか難しいものだ。
何しろデンプンだけなので、
ただでさえ仲の悪いそば粉同士が、
一緒になってくれない。
そこで、熱湯を使って、
「友つなぎ」と言う方法で、
さらしな粉を練り上げる。
そして、伸びのない生地なので、
それを延ばすのが難しい。
さらしなそばを扱っている多くの店では、
生地を練り上げた後、
ロール式の製麺機に掛けてそばを作るらしい。
先日行った東京の老舗店でも、
普通のそばは手打ちだったが、
さらしなはロールを使っていたっけ。
でも、貧乏なかんだたは、
その製麺機すら買うことができないので、
もっぱら、手で打ち上げるしかないのだ。
おかげで、未だにデコボコのさらしなそばをお出ししていて、
まことに恥ずかしい。
いや、恥ずかしがっているフリをしておこうか。
ところで、「さらしな」は漢字で書くと「更科」。
それが、長野の古名の「更級」と関係あるのか、
と言われれば、、、よくわかりません。
でも、更科に関するエピソードは、
たくさんあるので、またの機会に。