アメリカの研究機関の発表によれば、
近い将来、スペインは、日本を抜いて、
世界一の長寿の国になるという。
また、別のメディアでは、
世界の健康ランキングで、
一位はスペインだと言う。
ちなみに、このランキングでは、
日本は4位となっている。
健康や長寿というのは、
様々な条件があって、
一概に、これが原因だとは言えるものではないそうだ。
でも、スペインという国は、
医療制度の充実や、生活習慣、
社会的な仕組みなどで、
その条件が整っているそうだ。
そして、食事も大切な要素のひとつ。
少しくらい、旅をしたからといって、
そんなことがわかる訳ではないが、
短い間でも、実にシンプルで、
多様な食べ物を味わうことができた気がする。
市場を覗いてみれば、
豊富な野菜が売られているし、
果物、ナッツ類、豆類も種類が多い。
肉も、様々な形で売られていたが、
同じように、魚介類も豊富だ。
他の欧米の国々では敬遠される、
タコやイカも、ドカンと置かれていたりする。
その食べ方も、味付けも、
実に単純なのだ。
焼く、蒸す、揚げる、煮る。
それだけの料理が多い。
強いスパイスに頼ることなく、
複雑な味のソースに絡めることもなく、
素材の味を生かしているような気がする。
つまり、
あまり加工食品を使ったり、
人工的な味付けをしていないのだね。
特に、ある種の病気の予防になると言われているオリーブオイルは、
至る所に使われているね。
レストランのテーブルに置かれているのは、
サラダのドレッシング用の3点セット。
オリーブオイルと酢と、塩の瓶だ。
付け合わせのサラダは、自分の好みで味付けする。
これが中々良い。
でもねえ、
私がスペイン人は長生きするなあ、
と思ったのは、
そんな食事の内容だけではない。
食事の仕方なのだ。
スペインの昼食は午後2時ごろから。
そして、それがその日のメインの食事となるそうだ。
だから、働いている人も、一度家に戻り、
家族と共に食事をとるという。
時間をかけて、ワインを飲みながらね。
レストランで食べてもそうだが、
この昼食はとてもボリュームがある。
だから、食事が終わったら、一休みをしなくては。
そう、これがシエスタという習慣。
食事時間の午後2時ごろから4時過ぎまでは、
多くの商店は店を閉めてしまうし、
あれ、お役所だって、銀行だって窓口を閉めてしまう。
つまり、食事と、その時間を大切にしているのだね。
日本のサラリーマンの、
スマートホンを覗きながら済ます昼食とは、
大きな違いがあるようだ。
そんなことで、
垣間見てきたスペインの食事情。
まだまだ、たくさんあるのだ、、、が。