昨年のそばの収穫量の統計が、
農林水産省から発表された。
それによると、
昨年のそばの収穫量は2万8500トンとのことで、
前年から18%減っている。
その割合を産地別に見てみると、
北海道が圧倒的な量を作っていて43%、
そして茨木7%、山形6%、長野6%、福井5%と続いている。
折しも昨年、一昨年は、
そばの業界でもいろいろと駆け引きがあったようで、
どこの粉屋さんも、質のいい玄そばを手に入れるため、
大変苦労をされたようだ。
昨年は、北海道も台風の被害にあい、
幾つかの産地では、収穫量がだいぶ減った。
また、長野でも秋の長雨の影響で、
ほとんど収穫できない畑も多かったと聞く。
北海道では、前年の77%の収穫、
長野県は76%とのこと。
それでも、そのくらいの減少ならば、
なんとかなるだろうと思っていたら、
もっと、重要な問題が、、、。
農産物の収穫量はよく、
耕作地10アールあたり、
どのくらい採れたかで比較される。
その10アールあたりのそばの収穫量は、
全国で、平均収量の82%。
つまり、同じ畑からいつもの年の、
五分の四の量の収穫しかできなかったんだね。
それが、北海道では77%、
長野では66%ということになる。
これがどういう意味かというと、
当然、採れた玄そばの質の低下を招くことになる。
豊作のときには、そばも元気よく育っているので、
勢い、質の良いものが多い。
でも、育ちが悪い時には、
どうしても、それなりのものになってしまうのだ。
挽いてみて、良い粉が採れないとのことで、
長野産の粉の出荷を、
取りやめてしまったそば粉屋さんもあるそうだ。
そんな状況の中で、
私のようなそば屋も、
それなりに選択を強いられていくのだね。
頑張って、質の良いそば粉を手に入れていくか、
それとも、そこそこのものを使って、営業を優先するか。
実は、昨年初めに、
そば粉が大幅に値上げになったのだが、
そのまま様子を見ていた。
この分では、元に戻りそうもないし、
安い外国産に頼っていた大手が、
国産そば粉を使い始めるという混乱もあるし、
その点を考えなくてはいけない時期に来ているのかもしれない。
こんな時に思い出すのが、
高田渡さんの「値上げ」という歌。
う〜ん、耳に痛いなあ。