手打ちそば屋は眠れない

醤油は二年かけて作られる。

先日は、パートさんの研修会ということで、
須坂にある老舗の味噌屋「塩屋」さんの、
蔵を見学させていただいた。

 

ここは江戸時代中期の創業で、
海のない信州で、塩の扱いをしていたのが、
そのまま屋号になったそうだ。
途中から、味噌、醤油の醸造を始め、
今では味噌の製造が主流となっているようだ。

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江戸時代から明治にかけて建てられた蔵が並び、
国の登録文化財に指定されている。

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まず、案内されたのが、味噌蔵。

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私の背よりも、大きな木の桶が並んでいる。
この時期は醸造していないが、
春に仕込んで、夏に寝かし、
秋になって出荷するそうだ。
この木の桶は、今では、
作っているところがなく、
タガを修理するにも苦労しているという。

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味噌を作るには、
塩の力というものが大切だとか。
最初は味噌玉にして、
様々な菌を繁殖させ、
その後塩を加えて、有用な菌だけを繁殖させ、
熟成させるのだそうだ。

 

場所によって、様々な菌が住みついていて、
昔、それぞれの家で作っていた頃は、
同じように作っても、微妙に味が違った。
それが「手前味噌」の謂れなのだそうだ。

 

今は、温度管理された工場で、
短期間に作られる味噌がほとんどだが、
ここでは、昔ながらの木の桶で、
時間を掛けて作られているのだね。

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きれいに手入れされた中庭を通って、
今度は醤油蔵へ。
ここでは、醤油を絞る機械を見ることができる。

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知らなかったけれど、
日本酒と同じように、
醤油も、もろみを袋に入れて重ね、
上から圧をかけて絞るのだね。

 

明治の頃から使っているという、
その機械の古めかしいこと。
長く伸びた木の棒を使って、
ギリギリと絞っていくのだそうだ。

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醤油作りには、いくつかの工程があり、
味噌造りよりも手間がかかるそうだ。
天然の素材だけで作っているので、
熟成して、製品にするまで、
二年もかかるという。
なかなか、醤油らしい色が出ないとか。

 

そんなに時間を掛けて作られているとは、
私も知らなかった。

 

最後に、蔵のなかで、味噌汁と甘酒をいただいた。
発酵という、微生物の不思議を感じながら、
味わう本物の味だ。

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醤油というものも、
こうやって、昔ながらの方法で作られているのだね。
かんだたのそば汁に使う醤油を選んだとき、
取り寄せた数種類の中から、
迷わずにコレに決めたのは、
やっぱり正しかったのかな。
値段は一番高かったけれどね。

 

ということで、
なかなか見ることのできない、
味噌や醤油の製造現場を見せてもらった。
昔ながらのじっくりとした造りをしていることと、
我々のために時間を割いてくれた塩屋さんに、
深く感謝です。

 

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