●ちょっと古い本を読んでいたら、
昭和5年の各県別のソバの生産量の表が載っていた。
昭和5年と言えば、、、、、
、、私は生まれていないので、
よくわかりません。
この年、東京の三越で「お子様ランチ」が売り出され、
脚光を浴びたそうだ。
まだ、戦争の陰は薄く、
そばも、大いに食べられていた時代だったことだろう。
さて、今から80年前の日本。
そのころ、ソバの栽培の盛んな県と言えば、
ほほお、
なるほど、なるほど。
さて、一番でダントツの生産量を誇っていたのは、
どの都道府県でしょうか?
そうして、ダントツの二位は?
●去年は天候不順の影響で、
全国的にソバの出来が良くなかった。
10アールあたりの収穫量は、
例年の60パーセントだったと統計が出ている。
おかげで、国産のそば粉が不足。
そば屋も、製粉屋さんも、
頭を悩ませているこの頃なのだ。
現在の国内のソバの生産量を見ると、
圧倒的に北海道が多く、
国内産の約半分近くを出荷している。
やはり、土地の広さが違うのだろう。
あとは、茨城、福島、山形、などが
続いている。
おっと、いけない、我が長野も、
この二番手のグループに入っている。
そうして、福井がそのあとを追い、
青森、秋田、新潟、栃木などが三番グループを作っている。
さて、現在のソバの産地は、
このようなところだが、
果たして、80年前、
昭和五年の産地は、どうなっていただろうか。
●その前に、ちょっと、
ソバの栽培されている場所を考えてみよう。
「そばの自慢はお里が知れる」
などという言い伝えがあるが、
ソバというのは、米の栽培に向かない、
冷涼な山間地で作られたものが、良いソバと言われる。
つまり、良いソバの産地ということは、
険しい山に囲まれた場所ということ。
「褒められて所はづかしそばの花」
などという川柳もある。
山ばかりの何もないところで、
ソバの作られる恥ずかしさを詠んだものなのだろうなあ。
今だったら、逆に、
そういうところの方が、
都会の人には喜ばれる気がする。
だって、
今、日本で作られているソバの多くは、
減反対策で、平地の田んぼで作られているののだから。
ソバの産地といえども、
決して山の中とは限らないのが、
現代の特徴だ。
●では、
昭和五年のソバの生産量ランキングの発表!!
十位から六位までは、
静岡、長野、栃木、熊本、岩手
あれっ、長野は九位だったのか。
五位 青森、
四位 宮崎、
三位 茨城、
そうして、ダントツの二位は、
鹿児島。
さらに、さらにダントツの一位は
ほっ、ほっ、ほっ、
北海道!!!!
なんだ、昔から、北海道は、ソバの一大産地だったのだ。
もっとも、北海道は、
寒冷なため、稲作がなかなか発達しなかった地域。
今でこそ、稲の品種改良が進んで、
大規模に栽培されるようになったが、
その前までは、ソバぐらいしか育たなかったのかもしれない。
●でも注目すべきは、
九州で、多くのソバが作られていたことだ。
特に鹿児島、宮崎、熊本などの名が挙がっている。
九州の山間部では、昔は盛んにソバが作られていたことが、
この資料からもうかがえそうだ。
また、名前は出て来ないが、中国地方や四国でも、
結構栽培されていたようだ。
つまり、山奥の、
他に作物が出来ないようなところには、
必ずソバが植えられていたのだろう。
それが、今では、機械の入らない山の畑では、
ソバすらも、作られなくなってしまったようだ。
さてさて、少しは様変わりしたソバの産地。
でも、田んぼで作るそばより、やっぱり、
山奥の畑で作るそばの方がおいしい気がする。
ともあれ、今年は、天候に恵まれ、おいしいそばが、
たくさんとれますように、、、、
ひたすらそう祈っている。